知識/スキル

「四季報」の読み方を分かりやすく紹介【完全版】

突然ですが、「四季報」を読んだことはありますか?

今回は就活生から投資家まで幅広い世代の人が活用している「四季報」の読み方について紹介していきたいと思います。

この記事は「四季報を買ってみたけど何を見ればいいか分からない」という人にぴったりの内容になっています。

ちなみに私は就活生の頃から社会人になった今でも、必ず四季報は毎回買って読むようにしているので、四季報に関する知識は豊富であると自負しています。

それでは早速見ていきましょう!

四季報の概要

四季報には、大きく分けて会社四季報就職四季報の2種類があります。

四季報というと、東洋経済新報社出版の「会社四季報」を思い浮かべる人も多いと思いますが、実は「四季報」自体は出版物の一形態を表す言葉です。

まず「四季」というくらいですから四半期に一度、つまり1年に4回刊行されます。

一般には新しいデータや資料がまとめて載っているハンドブックのようなものを指します。

会社四季報とは

四季報の代表格といえば「会社四季報」です。

ただ単に「四季報」と言った場合はこちらを指すことが多いです。

余談ですが、会社四季報は「2・26事件」のあった1936年に創刊された、長い歴史を持つ雑誌です。

中身を見てみると、全上場企業を網羅し、各企業のプロフィールや株式にかかわるデータ、そして業績予想が詳細に紹介されています。

100人以上の業界記者を擁し、そのコメントや予想には会社四季報のオリジナリティが反映されているのも特徴です。

就職四季報とは

就活生の皆さんにはおなじみの四季報が「就職四季報」です。

こちらはまさに、就職先としての各会社のデータを揃えたものです。

エントリーや試験の情報、給与体系や福利厚生など「その会社を受けたら/働いたらどうなるの?」ということが分かりやすく掲載されています。

ただし、会社四季報とは違い、経済界の中でその会社の位置づけや、ビジネスの現況という部分はあまり載っていないのも特徴です。

次の章から、会社四季報と就職四季報それぞれのポイントを紹介していきます!

会社四季報で見るべきポイントと解説

会社のプロフィール

会社四季報は見開き2ページに4社分のデータが掲載されていますが、各社の欄の右端に社名と大まかなプロフィールが記載されています。

太字で記載された会社名の周りには、【設立年】や【上場年】、そして「特色」が40字程度で説明されています。

この欄にはその企業の事業の姿が凝縮して説明されているので必読です。

連結事業

【特色】の横には【連結事業】という項目があります。

大企業の場合、本体以外に子会社が存在することがほとんどですが、この連結事業の項目でまとめられているのは、グループ全体としてのビジネス展開です。

つまり、この欄を読めば、その企業がどのような事業を行っているか、それぞれの事業がどの程度儲かっているのかが分かります。

例えば、自動車メーカーは本業の自動車事業のほかに、自動車ローンやリースなど金融サービスを展開している場合がほとんどです。

その場合、〜【連結事業】自動車90(8)、金融5(25)、他5(6)〜といったように、展開している事業の名前と数字が並びます。

これは「事業/売上構成比率(売上高営業利益率)」を表しています。

つまり、「自動車90(8)」が表すのは、この会社の売上の90%は自動車事業によるもので、自動車事業の売上に対しての営業利益率は8% であることを意味しています。

この会社の事業は、規模では自動車が圧倒的に多い一方で、利益率は金融事業のほうが高いということが読み取れますね。

株主

会社四季報では、筆頭株主から10位までの大株主が記載されています。

大株主としてよく見られるのは、自社(自己株口)や、創業者、信託銀行などです。

信託銀行の名前で保有されている株式は、主に機関投資家から預けられた資本によるものです。

一般に、日本の信託口なら日本の機関投資家が、海外の名前なら外国人機関投資家が保有していると考えられます。

さらに、【株主】欄の下部には株主構成が載っています。

具体的には、〜<外国>○○%<投信>○○%<浮動株>○○%<特定株>○○%〜というような形で記載されています。

外国での人気や、投資信託のプロたちの評価、特定株(創業者や役員、利害関係者)がどの程度あるのかなどからも、会社の実情がうかがえます。

株式会社は「株主のもの」なので、受けたい企業が「誰のもの」なのかは、やはり知っておきたいところです。

企業業績

就職活動をするにあたっては、企業イメージや華やかさ、学生からの人気などに注目する人も多いと思いますが、「儲かっているのかどうか」という視点も非常に大切です。

具体的な数字は各企業の枠内の下段左端の欄にある【企業業績】から見ることができます。

この欄には「売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株利益、配当が過去5期分」がズラリと記載されています。

ちなみに、会社四季報では未来2期分の予想も発表されます。

「予」とついている数字が予想で、「会」とついているのは、その企業による業績予想なので、東洋経済新報社の見解と会社の見解を比べてみるのも興味深いと思います。

財務指標

財務の欄を見ることで、企業の健康状態が分かります。

財務指標の代表格といえば、ROE(株主資本利益率)ROA(総資本利益率)です。

ROEは純利益÷株主資本(%)で、株主から預かったお金をどれくらいの利回りで運用できているかという数字です。

一般的には10~20%程度であれば優良企業ともいわれます。

一方、ROAは純利益÷総資産(%)で、これは負債も含めた、その会社のすべての資産をどれだけの効率で運用できているかという指標です。

こちらは、5%あたりが優良企業の目安となります。

豆知識(ROEの落とし穴)

あまり会計知識がない人のブログやサイトを読んでいると、「ROEは高いほうがいい」と書いている記事を見かけることがあります。

しかし、必ずしもROEが高ければいいとは限りません。

大切なのは「ROEを構成するどの要素の数字が優れているのか」という視点です。

ROEは「Return on Equity」の略ですが、次のような式に変換することもできます。

この理論は【Du Pont Identity】と呼ばれますが、要するに「利益率と資産回転率を上げて、高いレバレッジを利用すればROEは高くなる」ということです。

式中の【Equity Multiplier】は資産÷株主資本で求められますが、銀行などからの借入を増やせば資産は増えるため、その値は高くなります。

つまり、負債である借入を増やせば【Equity Multiplier】が高くなるため、結果としてROEも高く算出されてしまうということです。

少し専門的な話になってしまいましたが、以上が「ROEは高いほうがいい」とは必ずしも言えない理由です。

就職四季報で見るべきポイントと解説

開示率とNA

NAとは「No Answer」の略です。

要するに、会社が○○を開示しないという意味になります。

よい数値なら出したほうが得ですので、一般的にNAは数値がよいとは考えにくいです。

つまり、NAが多い企業は注意が必要だと思われます。

開示度は全項目に対する回答(NA以外)の割合を相対評価で表しているので、開示率が高いということはNAが少ないともいえます。

採用数

一定以上の採用数があるのは大前提ですが、大事なのはその中身です。

文理別、男女別、院卒・大卒別などで採用傾向を見ることをおすすめします。

従業員数に比べて採用が多すぎる場合、大量離職の可能性があり要注意です。

有給取得

会社がHPなどで公開している有休日数は「最大ここまで休める」という付与日数です。

実際に休めたかを示す取得(消化)日数や、付与日数を分母とした消化率が重要となります。

付与日数は大体20日で一定ですが、取得日数は業種や社風によってバラツキがあります。

平均的なラインは10日なので、極端に少ない企業は注意したほうがいいです。

採用実績校

偏差値のない就活で、入社可能性の目安になる指標です。

自分の学校が入っていれば有利かもしれませんが、学校が多すぎる場合は全部を載せきれない場合もあるので、これだけで判断するのはやめましょう。

ただ、実績校の学校群を見てレベル感をつかむことはできるかもしれません。

業績

売上高、利益とも着実に増えていれば、順調に成長している会社です。

売上高に比べ、利益は赤字(マイナス=▲)になることもあります。

本業の稼ぎを示す営業利益が赤字だと、採用の減少や見送りが想定されます。

さらに、金融収支等を加味した経常利益まで赤字が続くようなら注意が必要です。

残業

残業は全体平均が月10~15時間程度で、月30~40時間を超えるとかなり残業が多いと見て良いでしょう。

ちなみに、労働基準法では残業時間の上限が「月45時間、年360時間以内」と決められています。(「36協定」)

昨今は残業の多い企業を避ける傾向がありますが、成長企業ほど繁忙状態で残業は多くなりがちなので実情はOB/OG訪問などで確認したほうがいいかもしれません。

一つ確実に言えることは、残業時間が「NA」の企業は要注意です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は「四季報」の読み方について紹介しました。

四季報には「会社四季報」と「就職四季報」の2種類があるわけですが、大学生の皆さんにはまず「就職四季報」から読んでみて、もっと知りたいということであれば「会社四季報」も読んでみるのをおすすめしたいと思います。

著作権の都合で中身の写真などは載せることができませんでしたが、もし興味のある人はぜひ一度目を通してみてください。

業界研究や企業研究のヒントになる情報がたくさん詰まっていると思いますよ!

それではまた!